初回よりお時間を頂戴致しましたが第2回目は当クリニックに飾られている絵画についてご案内致します。
当院の廊下には、いずれも印象派の3作品のコピーが飾られています。私と印象派との出会いは11歳の時。
両親に連れられて、鶴岡八幡宮内の神奈川県立近代美術館で開催されていたボナール展に遡ります。
その色彩の豊かさ、表現力の奥行きの深さに圧倒され、瞬時にトリコになりました。
以来素晴らしい印象派の作品に触れると感動を覚え、
それが自身の感性を高めてくれると思うようになっています。
では、1点ずつ参りましょう。入口に一番近い右側の壁に飾ってあるのが、
フィンセント・ファン・ゴッホの描いた『夜のカフェテラス』(1888年作 クレラ・ミュラー美術館蔵)です。
南フランス・アルルのフォルム広場を舞台に、ガス灯に照らされたカフェと美しい夜空が、
黄色と青とのコントラストをもって描かれています。
2026年5月~8月に上野の森美術館で開催された大ゴッホ展で来日し、
連日の大盛況であったことは記憶に新しいところです。
画題になったカフェは、1990年代初頭に、この絵画に近づけるため、壁を黄色に塗り替えています。
廊下の突き当りの、壁のやや高い位置にあるのが、ピエール⁼オーギュスト・ルノワールの
『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』(1876年作 オルセー美術館蔵)です。
パリのモンマルトルにあるダンスホール「ムーラン・ギャレット」での賑やかな情景が描かれています。
画中に描かれている人物は、ルノワールの友人たちであるとされています。
この絵画の特徴は、木漏れ陽が人々に降り注がれている状況が、実際に眼が眩しく感じられるほど繊細で、
見事な光の表現になっていることです。
木陰にいるのに、あたかも太陽の下にいるような華やかさと暖かさを感じます。
2016年4月~8月の国立新美術館での「ルノワール展」で初来日をしています。
最後は左折した廊下の正面の壁に飾られているエドガー・ドガの
『エトワール(踊り子)』(1878年頃作 オルセー美術館蔵)です。ドガは生涯にわたりバレエをテーマとした作品を、
1500点以上も描いていますが、ドガと言えば「踊り子」と言われるほどの代表作です。
パリ・オペラ座で華麗に踊るバレリーナを描いているだけではなく、オペラ座の客席からだけでは観ることも、
伺い知ることもできない様子が描かれています。
舞台裏に居る黒服の男性は踊り子のパトロンと言われており、
前述の「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」同様、1800年代後半のパリの
上流階級の人たちの暮し振りが垣間見られる作品です。
2010年9月~12月、横浜美術館での「ドガ展」で待望の初来日を果たしました。
実は、エドゥアール・マネの『フォリー・ベルジェールのバー』(1882年作 コートールド美術館蔵)が
一番好きな絵画ですが、院内の3点に比べると少し小型であるため、自宅で楽しんでおります。スミマセン…
皆さまはどんな絵画がお好きですか?
2026年10月 オトクリニックわたらせ 院長 佐々木俊一
(第2回 投稿日:2026年10月23日)


